PRP療法(自費診療)
ACP-PRP療法のご案内
講道館ビルクリニックでは、令和6年1月より自己血由来成分を用いた再生治療「ACP-PRP療法(自費診療)」を導入しました。
関節や腱、靭帯などの損傷や慢性的な痛みに対し、患者様自身の血液から抽出した成長因子を用いて、自然治癒力を促進する先進的な治療法です。
ACP-PRP療法とは
ACP(Autologous Conditioned Plasma)/PRP(Platelet-Rich Plasma)療法は、患者様ご自身の血液を採取し、遠心分離によって血小板を濃縮した血漿(PRP)を抽出し、それを患部に注入する治療法です。血小板に含まれる成長因子が組織修復を促進し、炎症の軽減や治癒過程の促進を期待できます。
ACP-PRP療法の作用機序
ACP-PRP療法は、患者様ご自身の血液から血小板を多く含む血漿(PRP)を抽出し、損傷部位へ注入することで、組織の修復を促進する再生医療の一種です。
血小板は止血作用だけでなく、多くの成長因子を放出して損傷組織の修復・再生を助けます。
ACP(Autologous Conditioned Plasma)は、PRPの中でも白血球をほとんど含まない“低白血球PRP”で、炎症反応を抑えつつ修復を促す特性があり、関節や腱などの治療に適しています。
主な成長因子とその役割
PRPには、組織の修復や再生に関与する多くの成長因子(Growth Factors)が含まれています。
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成長因子 |
主な作用 |
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PDGF(血小板由来成長因子) |
細胞の増殖・血管新生を促し、損傷部位の修復を促進します。 |
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TGF-β(トランスフォーミング成長因子β) |
炎症を抑え、コラーゲン産生を促進。軟部組織の再生に寄与します。 |
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VEGF(血管内皮成長因子) |
新しい血管を作り、栄養と酸素の供給を改善します。 |
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EGF(上皮成長因子) |
組織表面の修復を助け、創傷治癒を早めます。 |
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IGF(インスリン様成長因子) |
筋肉や骨の修復をサポートし、組織再生を助けます。 |
これらの因子が相互に作用し、損傷した組織の自然治癒を高めることで、炎症の軽減と機能回復を同時に目指します。
治療の目的
・関節や腱・靭帯の損傷修復を促進
・慢性的な運動器の痛みを軽減
・手術を回避し、自然治癒力を活かした治療を行う
・スポーツ復帰や日常生活への早期復帰を支援
特徴とメリット
・自己血を使用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低い
・外来で短時間に治療が可能(採血から注入までおよそ20〜30分)
・身体への負担が少なく、繰り返しの治療にも適しています
・関節や軟部組織の再生を促す効果が期待できます
適応症・対象となる方
・膝関節や肩、肘、足関節などの腱・靭帯損傷
・スポーツ障害(腱炎、腱付着部障害など)
・変形性関節症による痛みの軽減を希望される方
・保存療法で十分な改善が得られない方
治療の流れ
1.医師による診察、画像検査、超音波検査など。
(他院での検査結果があればお持ちください)
2.治療についての説明、症状によっては他の治療をお勧めすることもあります。
3.PRPについての同意書、予約の取得
4.採血(少量)を行い、遠心分離装置で血小板を濃縮
5.濃縮されたPRPを患部に注入
6.注入後は安静・経過観察(必要に応じてリハビリを併用)
費用について
・1回あたり 33,000円(税込)
※保険適用外の自費診療となります。
使用機器について
当院では、Arthrex社の「Arthrex ACP ダブルシリンジシステム」を使用しています。このシステムは、採血から分離・注入までをクローズド環境で行うため、感染リスクを最小限に抑え、安全かつ効率的にPRPを調整することができます。
ABS-10014_Arthrex ACP Double Syringe
※令和6年1月より導入。
注意事項・禁忌
・抗凝固剤を服用中の方、重度の血液疾患をお持ちの方は適応外となる場合があります。
・感染症のある部位、妊娠中・授乳中の方への施術は行えません。
・治療後、一時的な腫れや違和感が出る場合があります。
よくある質問
Q:治療は痛いですか?
A:注射部位に軽い痛みを感じる場合がありますが、短時間で治まります。
Q:どのくらいの回数が必要ですか?
A:症状により異なりますが、1〜3回の施術で効果を実感される方が多いです。
Q:運動はいつから再開できますか?
A:治療部位により異なりますが、数日〜1週間程度で軽い運動が可能です。
他の自費診療メニュー
・SIS治療(高電磁波誘導器治療)
・ESWT治療(体外衝撃波治療)
・鍼灸治療 など
☆当日でも行えることがあります。どうぞお気軽に診察室でお問い合わせください。
